デジタルの力で、地域課題を解決へ人口減少や高齢化、災害対応、住民サービスの多様化など、地域行政が抱える課題は年々複雑化しています。そんな中、AI技術を活用して地域課題に取り組む自治体も少しずつ増えてきました。今回は、AIWAYと共に「AIによる住民対応の自動化プロジェクト」に取り組んだC市役所の職員の方に、プロジェクトの背景と成果について伺いました。導入前の課題:「よくある問い合わせ」に追われる日々「私たちの市では、毎月1000件近い電話・メール問い合わせがあり、担当部署の対応負担が深刻でした。特に“よくある質問”の対応に多くの時間が割かれていたのが課題でした」年金、住民票、子育て支援、ごみ出しルール、各種手続き…。多様な問い合わせに限られた人数で対応する状況が続いており、住民の満足度も十分とは言えない状態でした。AIチャットボット「WAYBOT」の導入:対応件数の6割を自動化そこで導入されたのが、AIチャットボットWAYBOTの住民対応版です。導入後、問い合わせの約60%をチャットボットが自動処理できるようになり、担当職員の対応時間が大幅に削減されたといいます。「住民の方からは“すぐに回答がもらえるのが便利”“夜間や休日でも対応してくれるのがありがたい”という声を多くいただきました」24時間対応可能なチャットボットにより、住民の利便性も大きく向上しました。見えてきた「市民の関心」:AIが示すニーズの可視化さらに、チャットボットの応答履歴を分析することで、住民が何に関心を持っているのか、どこに情報が不足しているのかといった“市民ニーズ”の可視化にもつながりました。「ある月は“ゴミ収集カレンダー”に関する質問が急増していたことが分かり、急遽広報手段を増やしました。こうした動きが取れるのも、AIが教えてくれるからです」職員の声:「本来やるべき業務に集中できるように」AIによって定型的な業務から解放されたことで、職員はより高度な判断や対人対応に時間を使えるようになりました。「問い合わせ対応に追われる日々から、企画立案や改善提案に時間を割けるようになった」と語る若手職員もいます。「AIに任せられるところは任せて、人がやるべき仕事に集中する。それが“働きやすさ”にもつながっていると感じます」AIWAYの支援内容:導入から定着、そして改善まで伴走AIWAYでは、ただツールを導入するだけでなく、自治体の課題に応じてカスタマイズし、導入後の定着支援やデータ活用の伴走支援までを一貫して行っています。職員向けのレクチャーやFAQ作成支援、運用マニュアルの整備などを行い、自治体内部にAI活用が根付くよう支援を続けています。防災、高齢者福祉、行政DXへ「今後は、防災情報のリアルタイム配信や、高齢者向けの見守りサービスにもAIを活用したいと考えています。自治体の役割は“効率化”だけでなく、“安心と信頼の提供”です。そこにAIがしっかり寄与してくれると実感しています」AIWAYでは、地域の特性や住民構成に合わせた「地域最適化型AI活用モデル」の開発を進めており、行政DXの実現に向けた支援体制をさらに強化しています。地域に根ざした、持続可能なAI活用を一般社団法人AIWAYは、これからも地域に根ざしたAI活用を通じて、自治体のデジタルシフトと住民サービスの向上を支援していきます。テクノロジーが“人に優しい行政”をつくる──その実現に向け、現場とともに歩み続けます。